カテゴリー: 平面

  • 点描

    点描

    抽象画というイメージの志昂さんですが、木や家をモチーフにした こんな可愛い点描画もあります。

    現在開催中の田中志昂さんの「回顧」。

    たくさんの方々にお越しいただいています。

    オープニングの様子はこちら。

    その時々の作家自身がありありと残る作品は、

    どれも細かいタッチで表現されていながらも、その構図は大胆でもある。

    どの作品を見ても”絵を描く”ことの楽しさが感じられる。

    これは、作家にとっては非常に大切なことのひとつだと思う。

    なぜなら、それは見る側にも間違いなく伝わるものであるに違いない。

    会場では、7月25日から展覧会を行う吉田 真の万華鏡の一部を見ることできます。

    お越しの際には、是非 手に取ってみてください。

  • 田中志昂 オープニングパーティ

    田中志昂 オープニングパーティ

    本日より、田中志昂さんの「回顧」が始まりました。

    初日は作家を囲んでのオープニングパーティ。

    正面でお話されているのが、作家の志昂さん。

    思いがけない方々が駆けつけてくださり、嬉しいオープニングとなりました。

    実に「個展は18年ぶり」という今展「回顧」は、数十年に渡る画業を振り返ると共に、

    今後の作家の出発点と位置付けている展覧会である。

    それだけに、今までの作品を広く網羅した展示となっている。

    どの作品も作家自身を映し出した表現に変わりはないが、

    その時々の表現の変遷を見れるところも面白さのひとつであろう。

  • 田中志昂 搬入

    田中志昂 搬入

    現在の地に画廊を構えて以来、”アートは特別な人のもの”という認識を持っているお客様が思いの外 多くおられる という事実に気付きました。

    今年の4月にGaleria Puntoをリニューアルしたのをキッカケに、広く地域の方々に展覧会やその他のイベントなどに開放しようという試みを開始。

    アートを身近なもの・暮らしの中にあるものとして感じてもらいたい という切なる思いからでした。

    そういう私も当時は美術は自分の表現として描くもの・鑑賞するもの という程度の認識しかありませんでしたが、

    ある時 数千円の小さな絵を購入したのをキッカケに それまでは気付かなかった芸術が環境に及ぼす影響を知ることになったのです。

    それは、美味しいディナーや高級な車やお洒落な洋服や休日の温泉よりも自分を豊かにしてくれるものでした。

    正しくは、美味しいディナーにこそ、お気に入りの絵が欠かせない というのが正確なのかもしれません。

    これは余談ですが、断捨離とアートはかなりの最強タッグではないかと個人的にはふんでいる。

    アートは決して限られた人だけの特殊なものではなく、私たちの毎日の生活の中に息づいている。

    そういう意味では、明日から始まる田中志昂さんの「回顧」は実に意義のある展覧会ではないかと思う。

    本日は田中さんの搬入日。

    明日5月16日(火)の15:00~は、作家を囲んでのオープニングパーティを行います。

    どなたでも参加できますので、どうぞ ご来廊ください。

  • 考えの前の光

    考えの前の光

    ラデックが描いているのはフレスコ画。

    フレスコ画と言えば、ラファエロやミケランジェロなど美術史に出てくる技法というイメージではないだろうか。

    多くの絵描きの中でも、フレスコを描いている画家は そう多くはいないと思う。希少だ。

    それもそのはず、漆喰が乾かぬうちに描かねばならない。

    しかも、やり直しが効かないため失敗は許されないのだ。

    ポーランドに生まれワルシャワ国立芸術大学を卒業した彼は、その後パリや南仏に滞在し

    テンペラやフレスコの壁画を遺している。

    ラデックだからこそ成し得た仕事である。

    美しい未来のために絵を描きます。

    美しい今のために絵を描きます。

    物ではなく、幸せを描きたい。

    毎日新しいインスピレーションをもらうために-形。

    毎日素晴らしいエネルギーをもらうために-色。

    考えの前の-光。

    ラデック プレディギエル

    Radek Predygier

    美しい色彩に軽やかなラインが躍る。

    きっちりとアウトラインを追うような、いわゆる下描きなんてない。

    筆使いそのものが画面に残る、絵画の息づかいが作品に余裕を持たせてくれる。

    これは、作品において重要だと思う。

    ラデックプレディゲルのテーマ

    彼の絵には「愛と平和への祈り」が込められている。

    日本人がそう聞くとなにかベタな感じがしてピンと こないかもしれないが、

    ポーランドに生まれ、フランス、 日本と移住してきた彼には切実なテーマである。

    ポーランドという国名は「平らな国」という意味である。

    日本に来て山や田畑の広がりや季節の移り変わりに 感動し、作品に影響を与えてきた。

    絵の前に立ち、その色や線と対話して欲しいと 彼は望んでいる。

            

    総社アートハウス主宰  伊永和弘 (岡山)

     

  • 「MIRACLE」 ラデック プレディギエル

    「MIRACLE」 ラデック プレディギエル

     

    ラデック プレディギエルの「MIRACLE」が始まりました。

    絵画にも様々あるが、絵の魅力のひとつは線だと思っている。

    10年以上前になるだろうか、まだ日本語の話せなかったラデックとフランス語の話せない私とで、

    ほぼ擬音で話しながら展示をしたことを思い出す。この時も、我ながら良い展示ができた。

    やっぱりアートは国境を超えるなぁ なんて悦に入ったものだ。

    その展覧会でラデックの線の素晴らしさに心躍った。

    3枚ほど特に気に入った作品があり、その中の1枚のドローイングを購入した。

    今も、見る度に 良いなぁ とニヤニヤする。

    今思えば、3枚買っておけば良かった。

    ピアノを奏でるラデック。

    今展では、こんな1枚がある。

    私のような絵画ファンにはドストライクの作品ではないだろうか。

    この作品を展示しようとして裏を見た時に、小さな紙が貼ってあった。

    その紙にはこう書いてある。

    ヨーロッパでは普通どの家庭にも絵画を飾ります。

    これらの絵は一つとして同じもののない全くのオリジナルです。

    絵を選んで飾る事で、自分の家をよりプライベートな個性のあるあなただけの空間にすることができます。

    この絵は夏の夜 森の中での友人たちとの集いを描いたものです。

    Radek Predygier

    画廊という仕事をする意味、

    少なくとも自分がラデックのドローイングを買った訳、

    それは好きだからに他ならないが、

    それらの何故を端的に言い当ててくれていた。

  • Trace

    Trace

    内田江美の「LINE×LINE」本日終了しました。

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    Puntoに足を運んでいただいた方からは、各々嬉しい評価をいただきました。

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    油彩と木炭で描かれた画面。

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    皆さん、こんな感じで凝視。

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    しばらくすると、こちらのメガネでも見ていただきました。

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    すると歓声!!ひらめき

    なんと、絵が3Dで見えます!

    レンズを通してカメラで撮ることを試みるもできず、両目の肉眼でないと立体には見えないようです。

    まだまだ画像では捉えられないことがあることを実感した瞬間、やはりアートは実際に見ることが大切ですね。

    それはそれは、宝石のように散りばめられた たくさんの色や形が画面から舞い上がります。

    まるで小宇宙。

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    内田さんの新作や活動の断片を見ることのできる画集「EMI UCHIDA」が近日発行になりました。

    こちらも是非ご覧ください。

  • 「LINE×LINE」 内田江美

    「LINE×LINE」 内田江美

    現在、「点から線へ」2人目の内田江美「LINE×LINE」が開催中です。

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    東京、ニューヨーク、上海、シンガポールなど海外でも精力的に活動している内田江美さん。

    今展では、「点から線へ」に合わせた新作を展示しています。

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    内田江美の画面は「ハッ」とした瞬間に記憶にとどまる。

    なぜなら、おおむね画面は、彩色のカンバス地に、細い木炭で蜘蛛の巣のように何千本の線が網の目に引かれていて、その網の目に濃輝度の高い独自の彩色が、まるで宇宙に宝石を埋めたように輝いている。

    今までに見たこともない独特の画面なので、私の頭にもはっきり止まった。

    聞くところによると、たとえば2016年台湾の台北新芸術博覧会で、彼女の作品は100号を中心に、二日目に、十一点全部を完売した。

    今度は、台北のドデカイビル「台北101」の、「ギャラリー101」で、日本人としては、村上隆・草間彌生の二人の次の三人目として、この内田江美が登場する。新しい「光」である。

    とき・2016年12月12日―12月末。場所・台北101ビル・ギャラリー101。

    美術評論家 芝辻政彦(京都)

     

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    内田さんの作品は油彩の上に重ねられた網目のような木炭の線が特徴的な作品ですが、

    一見しただけでは分からない ある仕掛けも施されています。

    是非、会場にて体感してください。

    ここ数年、ヨーロッパ、アメリカ、アジア等、十数か国で個展、アートフェアーなどに出品をしてきました。

    今年は11月にアート台北に出品し、12月12日から台湾のランドマークタワーである、台北101タワーの“ギャラリー101”で、日本人としては村上隆、草間彌生に続く三人目に内田江美個展が開催されます。

    ちょうどこの2つの国際展の間に開催される今回のGaleria Puntoの展覧会“点から線へ”は、私にとってとても意味のある展覧会になると思っています。                                内田江美

     

     

  • ネコの毛共同募金

    ネコの毛共同募金

    11月に入り急に肌寒くなってきたこの頃。今年も終わりに近づいてきたのかと感じる日々。

    昨今は様々な社会問題が生じ、身も心も時折 隙間風が吹く。

    そんな時代は人の優しさが身に沁みます。

    展覧会中の「キタイ商店~日用品☆家電☆リサイクル~」から、とっておきの作品をご紹介。

    子どもが持ち帰った赤い羽根共同募金にご協力された方もいるのではないでしょうか。

    こちらは、ネコの毛共同募金。

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    善意ある貴方、ご安心ください、集まったお金はちゃんと使っています。

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    また、こちらはいかがでしょうか?

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    「ねこ壺」

    昔の壺が、今ならナント800万!これは安い!!

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    そうは言っても、懐が淋しい私。でも道はあります。

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    これさえあれば、年末ジャンボで一攫千金間違いなし!

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    お金を手に入れたら、この際 良縁も結んでしまいましょう。

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    間違いなく、紳士と淑女に出会えることでしょう。

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    ユーモアたっぷりの、世界に一個の招き猫たち。

    こんな たったひとつの招き猫があれば、心の隙間はずいぶん埋まりそうです。

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    まだまだ いるニャン。

  • 点から線へ

    点から線へ

    %e7%84%a1%e9%a1%8c2012年にスタートした「点から線へ」の第2弾が、来月11月4日より遂に始まります!!

    次代を担う4名の作家がバトンをつなぐリレー方式の企画展。

    先日 展覧会を終えたばかりの沼田佳苗から始まったGaleria Punto企画「点から線へ」は、

    沼田佳苗→秋山はるか→石川和男→野村直城→と受け継がれ

    時を経て、次の作家たちへバトンが渡される。

    →北井真衣→ 内田江美→阿曽藍人→ラデック プレディギエル

    以上の4名に引き継がれます。

    また、今展開催にあたり各作家の作品について以下の4氏にコメントをいただいている。

    ギャラリールンバルンバ 絹川 大(石川)

    美術評論家 芝辻政彦(京都)

    インディペンデント・キュレーター 松崎尭子(パリ/フランス)

    総社アートハウス主宰 伊永和弘(岡山)

    この場をかりて、心よりお礼申し上げます。

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    11月4日(金)18:00~ 4作家を迎えてのオープニングパーティを開催します。

    初日は4名の作家の作品が一堂に会します。

    是非、皆さま お越しください。

  • 夜のにわ

    夜のにわ

    「夜のにわ」本日で終了いたしました。

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    仙台在住の沼田さんにすれば、関西はかなりの亜熱帯だったようで、

    確かに初日からずっと暑かった会期中でしたが、最終日にはめっきり涼しくなりました。

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    「ゆらぎ時間の中」

    今は、この作品が気分。

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    沼田さんは2012年にGaleria Punto企画「点から線へ」に選出された作家。

    「点から線へ」とは、可能性を秘めた 次代を担う作家4名がリレー方式でバトンをつなぐ企画展である。

    これは通常の個展とは違い、作家自身が次への展開を示すための展とも言え、

    地域もジャンルも異なる4名が集い、そこで生まれた新たな価値観を

    「点」という意味であるPuntoから世界へ発信していこうという試みでもある。

    第1回「点から線へ」は沼田佳苗→秋山はるか→石川和男→野村直城。

    最終日の今日は、埼玉から石川さんが沼田さんの展覧会に来てくださった。

    嬉しい!!そして見習いたい。

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    次回の「点から線へ」は、いよいよ今年11月4日から始まる。

    北井真衣→内田江美→阿曽藍人→ラデック プレディギエル の4名である。

    ぜひ注目していただきたい。

    そして実際に観てもらいたい。

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     2年ぶりの沼田さんの展覧会は、まだまだ長く観ていたいほどだった。

    あっという間に過ぎてしまったが、しばし余韻に浸ろうと思う。

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    沼田佳苗の「夜のにわ」は、私の中でまだ続いている。

  • とりっこ

    とりっこ

    沼田佳苗の「夜のにわ」。

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    現在、夜シリーズの新作などを展示中。

    沼田さんの夜の闇は決して暗闇でなく、実際の画面も青を重ねた独特の夜空が広がる。

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    人間が気付かぬうちに、植物や生き物が脈々と命をつないでいるような生命に満ちた画面。

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    一度見た人は必ずと言っていいほど記憶に残る、真っ直ぐな美しさ。

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    沼田さんの絵に必ず登場するのが、とりっこ。

    生命の象徴として描かれた赤い鳥の存在をご存知でしょうか。

    まるで私たちの代わりに、とりっこが旅をし続けているかのように。

    沼田さんは展覧会の際に、必ず一つ一つ手作りしたとりっこを用意してくれます。

    この とりっこは持ち帰り自由、どなたでも気に入ったとりっこを連れて帰ることができます。

    Puntoでも3回目の個展となりますが、今まで ひょんな所でとりっこを見つけたり、

    お部屋に貼ったり車に貼ったり・・そんな光景を見つけると嬉しくなります。

    という訳で、画廊の壁にもペタリ。

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    皆さん!まだ お嫁に行っていない とりっこがいますので、ご希望の方はぜひ連れて帰ってください。

    幸せの赤い鳥。

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    また、普段は展示しない色々な小品を追加展示しました。

    一度ではもったいない「夜のにわ」。

    沼田佳苗の「夜のにわ」は今月12日まで。

  • 沼田佳苗オープニング

    沼田佳苗オープニング

    10月2日、沼田佳苗の「夜のにわ」オープニングでした!!

    作家と作品に囲まれた この日の逸品は「ばっけ焼酎」。

    何だ!?ばっけ って?

    フキノトウらしいです。

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    仙台在住の沼田さんとは、「点から線へ」企画以来の再会で とても嬉しかったです。

    出会いのキッカケは東日本大震災のチャリティー展。

    多数の作品がある中、沼田さんの 確かとても小さい作品が目にとまったのを覚えている。

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    今では、Galeria Puntoでは欠かせない作家のひとり。

    どういう訳か彼女が来るとテンションが上がる、普段はそうそう上がらない?この私が。

    彼女だからこそ、この絵が描けるに違いない。

    出会いとは不思議なものです。

    ちなみに、沼田さんの前にあるのが「ばっけ焼酎」

    カエルは、ビッキって言うらしい。へー。

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    久しぶりに油絵のオイルの匂いが漂う画廊内は、とても心地良く。。

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    オープニングの後は、沼田さんとお絵描きするという贅沢な時間を過ごしました。

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    明日から引き続き「夜のにわ」が始動。

    ぜひお越しください。

  • パーティ&アーティストトーク

    パーティ&アーティストトーク

    10日は、「Meeting」のアーティストトークが行われました。

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    この日は、Puntoで展覧会をしていただいたこともある武田秀雄さんや、

    次回個展開催の澁田寿昭さんもお越しいただき嬉しいひとときなりました。

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    パーティを兼ねて行われた今回のアーティストトークは、

    3作家に加えお客様も参加しての対談形式で進行。

    ギャラリートークの面白さは、展覧会で作品を観るだけでは知りえない

    作家の裏話?とでも言うべき興味深い話が聞けるということ。

    更には、ギャラリーの目線も聞けたり。

    作品同様答えはひとつではなく三者三様な考えがあり、各々の価値観が存在しているということ。

    そして、観る側の価値観もひとつではないということ。

    そこが芸術の面白いところでもあるのです。

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    パリ在住のMARIKOさん、イギリスでも活動している吉田さん。

    中井さんは油彩の世界からタイルという素材に転身した経歴の持ち主でもある。

    トークでは、アートと工芸というテーマが持ち上がり、

    現在フランスで精力的に活動している陶芸家の澁田さんのお話も聞くことができた。

    そこには日本人の作り手としての確固たる意志と、実行力、

    そして経験に基づいた現在進行形が私たちの意識を持ち上げてくれたように思う。

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    画廊というところにいると、自然とアーティストやクリエイター、美術関係者などと多く接する

    機会があることは言うまでもありません。とかく芸術かぶれした?(失礼)話もしばしば。

    これは、必要なのですが。

    しかしながら、例えばサラリーマンや主婦、色々な異業種の方のお話を聞くことは、

    それ以上に刺激的で考えさせられることがあります。

    この日のお客様は、医師に教師、小説家に会社員・・・と様々でしたが、

    この様々なお客様からの質問や意見をいただき、これが実に聞き入ってしまうものでした。

    作家に至る経緯は?

    何故、その選択をしたのか?

    売れると思って描いてるの?

    赤いりんごを、どうして黄色に塗る?

    透明の瓶は、せいぜい水色で塗るのが精一杯。

    まさに、芸術あるある!

    最後は、学校での美術の授業が減っている原因に話が及び・・

    自分にない価値観なら一度持ってみてはどうだろう。

    美術は一部の特別な人の世界ではない。

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    MARIKO

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    中井佳代子

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    吉田延泰

    3人も貴方と同じ子どもだったのだ。

     

  • Meeting

    Meeting

    観光地 アストロ温泉に行った記念に、お土産のおまもりを付けました。

    説法モチが描かれたおまもりはご利益がありそうです。

    さてさて、今月30日からはパリ在住のアーティストMARIKOの企画が始まります。

    宛名面

    MARIKOさんは、「施美時間」にも参加いただいた作家でPuntoでは2度目の展覧会となります。

    今回は、新たな試みとして日本画の顔料 岩絵具を使用したイラストレーションを展開。

    また、神戸出身であるMARIKOさん。

    今展では 同じ神戸出身の2氏、モザイク作家 中井佳代子とガラス作家の吉田延泰を迎え、

    ジャンルの異なる3人のアーティストが出会います。

    画像面

    中井さんのタイル表現は、絵画技術に裏付けされた美意識。

    そして、吉田さんの優しいガラスにも ぜひ注目いただきたいと思います。

    8月10日(水)19:00からは、3氏を迎えてのパーティ&アーティストトークを行います。

    対談形式となるトークは、どんな話が聞けるのか楽しみです。

    初日から、ランダムに作家が在廊しております。

    アーティストと全ての人との新たな出会い。

    是非お気軽にご来廊ください。

     

     

     

  • 君だけをみている

    君だけをみている

    アンドレイ ヴェルホフツェフの「Quiet-静けさ―」、本日 最終日。

    ?「君だけをみている」

    閉廊間際まで多くの方々にお越しいただきました。

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    今展では、公園帰りの子どもたちが立ち寄って絵を見ていく光景が嬉しかった。

    子どもって素晴らしい!

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    たくさんの美しい文化に触れて育んだ精神があってこそ、争いの無知を知る。

    画廊は決して現実離れした娯楽ではなく、心豊かな大人の本気の遊び場なのだと思う。

    そこには、学びや歓びがある。

    それは、生きる糧にさえなる。

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    アンドレイの道は、まだまだ続く。

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  • FUJI -続編-

    FUJI -続編-

    アンドレイのFUJIシリーズ。

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    昔から、赤富士なんて言いますが・・

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    こちらの赤い富士はアンドレイ版。

    古代から霊峰としてあがめられてきた富士山は、2013年に世界文化遺産に登録。

    かつては葛飾北斎や横山大観をはじめ、多くの画家が時代を超えて描き続けている。

    そこには日本の象徴を超えた、魅了される特別な何かが存在するのかもしれない。

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    ロシアで生まれ育った彼の目に富士がどのように映るのか、とても興味のあるところですが

    シルエットを切り取った表現は、様々なバリエーションでパズルのように構成されている。

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    作家には、その時(今)でしか表現できないものがあると思っている。

    上手い絵は鍛錬を積めば誰にだって描けてしまう。

    しかしながら、心にググッとくる絵は そう簡単には描けない。

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    画家の仕事は 今しか描けない表現の連続であるように、

    今の自分の可能性を実践し続けることを怠けてはならないはず。

  • FUJI

    FUJI

    アンドレイのFUJIシリーズ。

    それは、15㎝ほどの小さな空間の中におさめられている。

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    「FUJI – Four story」

    彼の作風や技法は写実からポップなものまで実に多様ですが、

    その元にはシュルレアリズムの世界が土台になっているようです。

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    アンドレイが通ったレーピン芸術アカデミーは、1757年女帝エリザベータ・ペトローヴナ

    によって設立されたペテルブルグ最大規模の学術施設のひとつ。芸術アカデミーは、

    ほとんど全てのロシアの偉大な芸術家たちを育ててきたと言っても過言ではない。

    現在の作品を見ていても、ここで培われたと思われる日本人では表現しがたい

    独特の空気感のようなものが画面から感じられるのである。

    また、日本でも様々な賞を受賞している。

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    IMGP1284「FUJI – Strawberry」

    Puntoでは、一番奥の壁に展示している

    カーテンの向こう側からイチゴが見える この作品。

    IMGP1284 - コピー (2)イチゴにかかった練乳部分が、

    幼子の横顔になっているのがお分かり頂けるでしょうか。

    小さな画面におさめられたFIJIの物語をお楽しみください。

  • ANDREY  OPENING PARTY

    ANDREY OPENING PARTY

    アンドレイ ヴェルホヴツェフの「Quiet―静けさ―」、初日。

    オープニングパーティは、綺麗なお花の香りに包まれて始まりました。

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    ロシアから日本に来て5年程だというアンドレイ。

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    オープニング冒頭は、日本語で自己紹介。スバラシイ。

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    ロシアで絵を描くということ、そして日本との違いなど・・

    私たち日本人には考えさせられる意義深い内容でした。

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    会場には、FUJIをモチーフにしたシリーズが30点余り。

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    その他にも、花のシリーズ。

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    随所に、様々なアイデアが散りばめられています。

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    アンドレイの素晴らしさは、どんな環境下においても絵を描き続けてきた という事実。

    実は、決して容易なことではない。

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    子どもたちも興味津々。

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    アンドレイの姿に触発されて、大人たちも本音で迫る。

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    先日逝去した蜷川幸雄が話題にのぼる。

    この日は世界のニナガワの如く、アンドレイという逸材に皆が熱い期待を寄せた。

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    発展途上の彼は、まだまだ伸びしろがありそうだ。

    そんな作家との新たな出会いに感謝。

  • Quiet

    Quiet

    皆様、GW いかがお過ごしでしたでしょうか?

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    山っ子で育った私。

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    海っ子で育った旧友。

    たまには目的もなく、ただ ボーーーッと。

    スピリチュアルな額縁のない風景も格別です。

    遠い海の向こう、ロシアの異才 アンドレイ ヴェルホヴツェフの油彩を来週13日から展示します。

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    スクリーンショット切手面

    今展では、14,5×14,5㎝の小さな画面の中で様々なFUJIを表現しています。

    また、FUJIシリーズの他にも人や花をモチーフにした作品 約40点を展示いたします。

    この度の個展は、2015~2016年に私の頭の中に生まれた様々なアイディアを、

    パズルのように組み立て、それがFUJIとなってあらわれました。

      展覧会のたびに、上へと上がっていく階段の小さな一歩を歩んでいます。

                                 アンドレイ ヴェルホヴツェフ

    5月13日(金)19:00~は、作家を迎えてのアーティストトークを行います。

    ぜひご来廊ください。

  • 美しさの訳

    美しさの訳

    「ひかりのかけら」 最終日。

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    渋谷さんの作品に囲まれて二週間が過ぎてゆきました。

    今回は、とても早く過ぎた二週間でした。

    今展のタイトル通り 全てが”ひかり”を感じる作品たち。

    我々にとって、また もっと広い意味でも普遍的なひかりという存在。

    綺麗な作品は、例えば観る側がざんきの念のようなものを抱えていると

    自分の闇をより意識してしまい、ずっと直視できないような気分にさせられることがある。

    病みすぎですか?

    しかし、渋谷さんの作品は外の輝きも内なる影も含めて

    まるごと ひかりのかけらにしてしまったようで、実に普遍的な美しさをたたえている。

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    搬出後の画廊。

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    ほとんどの人に気付かれなかった一枚は、

    こんな風にポスターの上に堂々と展示しておりました。

    渋谷 清の次なる作品を楽しみにしたいと思います。

  • ゴースト

    ゴースト

    「ひかりのかけら」も、残すところ最終日のみとなりました。

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    ここ数日は雨模様のお天気でしたが、作品を観ていると

    どこからともなく光が差し込んでくるようです。

    雨の中、遠方からもお客様が来てくださり嬉しい一日でした。

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    平面以外にも、こんなキューブ型の作品もあり

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    床置きも壁掛けにもできる仕様になっています。

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    中でも、入口に展示したこの作品 ↓

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    Puntoおススメの一枚。

    内容も濃く、会期中どんどん見ごたえが深まってきた作品でもあります。

    そして、赤の壁との相性も抜群。

    そしてそして、実はほとんどの人が見逃している作品がひとつあります目

    けっこう大きい作品なのですが、近くに立っても多くの人は気付かず。

    見つけた暁には、きっと良い事が起こるでしょう。

    作家に会えるかも?

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    是非、会場で見つけてください。

     

     

  • アトリエ

    アトリエ

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    渋谷さんは東京出身であるが、現在は福山にアトリエを構えている。

    教授ということもあってか、私などから見ればお会いするといつも

    背筋が伸びる思いになる。決して部屋着でゴロゴロしておせんべい

    をポリポリしていちゃいけない なんて気持ちにさせられる。

    しかし、実際にお話ししてみると実に気さくで面白い。

    小一時間ほどたってから、ふと思い出してクスッと笑ってしまう。

    1月に展覧会をした石川さんも 落ち着いた佇まいからは想像できない

    面白さだったが、渋谷さんの面白さも格別である。

     

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    渋谷さんの場合、美術館などに大きな作品が収蔵させているイメージを持っている。

    やはりアトリエは天井高。

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    この画面に油彩で描く仕事を思うと、エネルギーの必要性が分かる。

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    油彩と言っても、決してテカテカとはしていない。

    むしろ、作品によっては とことん艶が排除され超マットなのである。

    これは、日本画の顔料や砂などを混ぜ込んで質感を作り上げているらしいが、

    画面の質感の他にも、キャンバスの側面、更には壁と作品との関係性を考慮して

    作品を作り込んでいるという話も初日のトークで印象に残っている。

    確かに、いろんな作品を扱う中でも 渋谷さんの作品は側面の厚さや処理が作品ごとに違えてあり、

    作家の作品に対する存在位置へのこだわりを感じる部分でもある。

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    渋谷 清の「ひかりのかけら」は今月29日(祝)まで。

  • まぶたを閉じると何が見えますか?

    まぶたを閉じると何が見えますか?

    Puntoでは、渋谷 清の「ひかりのかけら」を開催中です。

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    入口を入ったドアに貼っているのは、

    24日より ふくやま美術館ギャラリーで始まったGg展のポスター。

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    Gg展は2012年に渋谷さんを含めた作家4人によって結成され、

    仲間を増やしつつ活動を続けるグループ・グー(Group gout)の展覧会である。

    今年のGg展は、渋谷さんの作品がポスターに採用されている。

    その作品が、一番奥に展示している大作のこちら。

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    「BETWEEN」

    自分の内と外のちょうど中間の世界 という表現を渋谷さんはしていたように思うが、

    こちら側でもあちら側でもない、その接点にこそ何かがあるのではないかという。

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    目を閉じる。

    目に見えるモノは見えなくなるが、まぶたの裏に映る残像とも言うような

    チカチカしたひかりや形は、誰しも感じたことがあるのではないだろうか。

    私の場合、それは一瞬で形を変えたり、ひかりを帯びたりする。

    海に太陽が射しこみ、水面がたくさんの細かい面となって

    キラキラと反射しながら揺らいでいるのに似ているようにも思う。

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    まぶたに残る情景は、外側の世界にも内なるメンタルにも

    どちらにも影響を受けて変化し続けている。

    そして不確かながらも、いずれもフィクションでない世界。

    まさに、内と外の中間にあたる。

    そんなことを考えながら作品に対峙する時、

    作品の本質や関係性が見えてくるのかもしれない。

  • 渋谷 清 アーティストトーク

    渋谷 清 アーティストトーク

    渋谷 清の「ひかりのかけら」、オープニング当日。

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    初日は19:00オープンとあって、この日は昼間から搬入。

    夕方には、まさに たくさんの ひかりで埋め尽くされた空間となりました。

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    中央が、作家の渋谷清さん。

    この日は 熊本地震の状況を鑑みて、ささやかな乾杯で とり行いました。

    渋谷さんとPuntoはずいぶん古い出会いとなりますが、

    今回 初めてとなる念願の個展を開催することができました。

    そして渋谷さんから直接お話が聞ける今日の機会は、

    個人的にも非常に興味深いひとときでした。

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    作家のトークを聞きながら、様々な楽しみ方で作品に見入ったオープニング。

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    作品の前に立つのは、渋谷さんとアンドレイ ヴェルホフツェフさん。

    アンドレイは、来月 個展を行う。

    「作品の前に立ちたい」、そう思わせる表現。

    そして立った自らをも美しく見せてくれる作品の確かさ。

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    渋谷 清の美しい世界を、是非ご覧いただきたいと思います。

     

  • ひかりのかけら

    ひかりのかけら

    すっかり春めいてきました。

    別れや新たな出会いの季節、4月は念願の渋谷 清の展覧会を行います。

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    アート・プログラムでは過去に何度か出展していただいた渋谷さん。

    「アート・プログラムin鶴林寺vol.2~施美時間~」での旧宝物館の連作。

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    神積寺「60年に一度の秘仏×現代アート」では、

    縁側に置かれた青い作品がお庭とコラボして印象的でした。

    大学教授でもある渋谷さんは東京都出身。

    文部省在外研究員としてイタリアに派遣されたことに始まります。

    現在では、しぶや美術館をはじめ全国で個展を開催する他、

    東京学芸大学・佐久市立近代美術館などに多数パブリックコレクションとして収蔵されています。

    今回Galeria Puntoでは初めての個展となります。

    初日4月16日(土)は19:00からのオープン!

    19:00からのオープニングパーティでは作家 渋谷清によるアーティストトークを開催 ワイングラス

    作家のお話が聞ける貴重な機会となります。

    是非お気軽にお越しください。

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    Puntoの周辺では桜が満開です。

  • HANS BELLMER

    HANS BELLMER

    本日 最終日を迎えた「版画展」。

    特別展示としてハンス・ベルメールの作品を展示しました。

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    好き嫌いがはっきりと二分するベルメールですが、

    それは この狂気とも言える人体表現にあるのではないでしょうか。

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    過去にPuntoでは何度か人形展を企画したことがあるが、

    ”生き人形”と言われるそれらの作品は、誰もいない画廊内でも気配が感じられるくらいに

    一種独特の類のないエネルギーを放っている。

    それもこれも、球体関節という表現があってこその人形を超えた人形故なのである。

    ベルメールが、球体関節人形界に与えた影響は計り知れない。

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     黒いダイアモンドのごとく・・・澁澤龍彦

    ハンス・ベルメールの少女嗜好は、西欧のはるかなロマン主義の歴史の一側面を想い起させる。

    私は、舞台で踊る「ホフマン物語」のなかの人工の娘オリンピアや、ベルリンのカイザー・フリードリヒ美術館にあるという、

    デューラー派の画家の手になる木製の人形が、若いベルメールをして人形制作に赴かしめる動機になったという事実に、

    目を止めないわけには行かない。

    呪われたナルシシストの光学においては、少女は妖精であり、妖精は天使であり、人形は少女なのであって、人間そのものの

    姿はついに見えないのである。神と人間との中間にあるもの、--それは天使かもしれないし、怪物かもしれないし、悪魔

    かもしれないし、やさしい女の顔をした「死」かもしれない。しかし呪われた芸術家の目を惹きつけるのは、つねにつねに、

    この領域より以外にはないのである。

    現代では稀な「呪われた芸術家」であるベルメールは、その危険にして甘美な夢想の中から胚胎した人間哲学の展開によって、

    一切の造形表現への端緒をつかんだ人物である。ジュスティーヌが一個の道徳的な人形であったように、ベルメールの人形は

    一個の解剖学的なジュスティーヌにほかならなかった。

    それにしても、サラーヌ・アレクサンドリアンがいみじくも述べたように、「黒いダイアモンドのごとく不安で驚異にみちた」

    ベルメールの作品は、私には、「燃える理性と冷たい狂気と」を打って一丸とした、現代のエロティシズムの最高の達成の

    ように思われてならないのである。

  • 本

    現在開催中の「版画展」。

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    こちらは小林裕児さんの資料。

    展覧会において作品はもちろんですが、その作品を生んだ作家や制作過程を知ることは楽しい。

    ひとつは作家のアトリエや居空間、言葉以上に興味深いかもしれない。

    直接拝見できなくても写真などで雰囲気を知ることはできる。

    写真は、よくよく観察すると更に面白い。

    例えば、収集されたであろうキッチュな雑貨が写っていたりする。

    そう!作家はかなり収集家であると考える。

    これまでお会いしてきた著名な作家は、

    様々なアーティストの作品をコレクションされている事が実に多い。

    刺激を受け、自身を高めるアートへの探究は惜しみないのだ。

    Puntoでは、それら資料や画集など自由に閲覧できる本を設置しています。

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    プントドアの横に置いた本棚に所狭しと並べており、

    ポートフォリオから絵本まで様々な資料をご覧いただくことができます。

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    好きな席を見つけて、好きな本を片手にまったり過ごす版画展も また良しなのです。

  • 津高和一

    津高和一

    本日は、津高和一さんをご紹介。

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    大阪芸術大学名誉教授の画家 津高和一は、当初 詩作の世界から画業に入る。

    叙情性に溢れた線描が高く評価され、サンパウロ・ビエンナーレやグッゲンハイム賞美術展に

    参加するなど、日本の現代美術における抽象絵画のパイオニアとして活躍した。

    津高さんの作品を見ると、やっぱり抽象って良いなぁと思う。

    例えば、誰しも見たことがあるコレ。

    ジュンク堂ブックカバー(前)

    ジュンク堂のブックカバーも津高さんの原画である。

    ジュンク堂ブックカバー(今)

    今は、こうだったか。

    ―――

    1995年、個展開催の準備中に被災。

    1月17日、あの阪神淡路大震災の犠牲となりこの世を去る。

    後に、倒壊した家の下敷きになったと聞いた。

    当時デッサンに明け暮れていた私が知ったのは、随分経ってからのことだった。

    くしくも、今日3月11日は 東日本大震災5年目を迎える。

    津高さんの自由な創造精神は現代も光を放っているのだ。

    この機会に、津高和一が生涯を通して追求し続けた抽象画の断片をご覧いただければと思う。

     

  • 版画展

    版画展

    Galeria Puntoでは、3月7日より「版画展」を開催いたします。

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    安井賞画家である小林裕児をはじめ、

    小林一夫佐々木麻こ津高和一の4名の版画を展示いたします。

    3月7日(月)~3月30日(水)

    (会期途中、展示替えを予定しています)

    特別展示:Hans Bellmer(ハンス ベルメール)

    今展では、4名の作家に加えハンス・ベルメール(1902-1975)の作品を展示販売いたします。

    ベルメールはドイツ出身の画家、版画家、写真家、人形作家。

    1930年に制作した等身大の少女人形作品を制作・発表したことで知られている。

    ナチスへの反発をきっかけに1933年から制作を始める。

    グロテスクでエロチシズムな球体関節人形を制作し、それらを舞台仕立てにして撮影した写真が、

    パリのシュルレアリスム・グループから注目を集めるようになる。

    厳しい時代を生きながらも「完璧じゃなくてもいいんだ、不完全でも美しいんだ」という力強い

    美学を実践し続けた芸術家でもある。

    日本においては、澁澤龍彦が終生その人形愛について思いをめぐらせたシュルレアリスト、

    ハンス・ベルメール。

    現代美術史に呪術的球体関節人形誕生を刻印し、日本の創作人形世界に多大な影響を与えた

    ベルメールの版画をご覧いただけます。

  • 少年時代

    少年時代

    石川和男の「・・・times,rhythms and dimensions.」が終了しました。

    閉廊後もお客様が来てくださり、最後はゆったり作品を鑑賞する時間がもてました。

    石川

    画面構築の表現形態を多様化させる一片として、

    作家の「音楽で言えばハウスミュージックのように切り貼りして」

    という言葉が印象に残っている。

    更に突き詰めた先に、新たな展開を予感させる展となった。

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    「点から線へ」は、次へ続く。

  • 画家の脳内

    画家の脳内

    ここ数日の寒波で、Puntoも遂に水道管の凍結・破裂にみまわれてしまいました。

    画廊の業務は、けっこう力仕事。

    何とか力づくで水を止め、おりゃっ。

    無事、復旧。

    「・・・times,rhythms and dimensions.」は、久々のPuntoでのロングラン。

    取材に修理に・・いろんな事が起こります。

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    作品を前にする時、分かるのではなく感じるもの。

    もっと言えば、好きか嫌いかに尽きる と思う。

    この日は、記者さんと作品を前に ああでもないこうでもない・・と作品読解。

    そこで、珍しく作家さんに作品のプロセスをお聞かせいただいた。

    想像以上の画家の脳内構造に感服。

    それは 作品が解けたという事でなく、

    作家の思考を深く掘り下げる興味深い手がかりとなる。

    付け加えれば、石川さんの場合 私たちが簡単に”なるほど”と合点に到達できるような

    ものでない たくさんの学びのベクトルが存在しているように思う。

    説明を聞くと、より作品が複雑化されて見えたりもする。

    頭では、絵は解けないのだ。

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    「あまり見ない絵ですね」

    ある方は、そんな風にも。

    世の中には似た絵がたくさんある、どこかで見たことのあるような絵。

    人は誰かに影響される、似ることは決して悪い事ではない。

    そうは言っても、あまり見たことがない絵を描くのは そうそう簡単な事ではないだろう。

    この日一番の褒め言葉。

    展覧会も残すことろ あと3日。

    石川和男の「・・・times,rhythms and dimensions.」は、1月29日(金)まで。

    お見逃しなく。

  • Untitled

    Untitled

    暖冬の今季ですが、さすがに冷えてきたこの頃。

    寒いです!

    早朝にはヒラヒラと雪も舞うほど。

    そんな中、Puntoでは石川和男の展覧会を開催中。

    描き上げたばかりの作品も見どころです。

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    「untitled」

    小さい作品のレイアウトは、往々にして難しいと感じることがある。

    そんな小品の最新作を展示しています。

    それだけに 今展のテーマの要素がギュッと詰まった構成となっています。

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    画面全体は複雑に立体感が持たされており、

    絵具だけでは表現できない質感や光沢が、独自の世界観の表現を担っている。

    そこが、魅力のひとつでもある。

    画家は以下のように語っている。

    「私は作品を描くにあたって、時間性、次元性という概念を画面に取り入れることを強く意識している。

    現代絵画の起点のルネサンス時代からの技術である消失点や遠近法、時間芸術の一つである

    音楽・リズム、さらに時間軸というベクトルのなかでの多次元的な空間のあり方を、

    自分のこれまで培ってきた表現と組み合わせてどう平面の中に治めるかという試みでもある。」

    石川さんの作品は実に表現がしっかりとしている。

    毎日 作品を眺めていると、日に日に それが目に見えて分かってくる。

    これまでの美術を取り巻くものへの探究、

    その取り組みに裏打ちされた確固たる表現を感じてやまない。

    そうして初めて作品に遊びが出てくるのかもしれない。

  • ゼリーのカップと まつぼっくり

    ゼリーのカップと まつぼっくり

    今日で、石川和男の「・・・times,rhythms and dimensions.」第一弾 最終日を終えました。

     今年のクリスマスは一切 装飾はせず、

    イルミネーションのように石川さんの作品を並べました。

    最終日 閉廊後、唯一 絵の前にそっと置いてみたのは、

    ゼリーのカップとまつぼっくりで作った小さなクリスマスツリー。

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    音のない静かな画廊。

    飾りは何も要りませんでした。

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    この時期になると、街には音楽が溢れています。

    人は歌声に感動し、時に涙します。

    それも、一度にたくさんの人が。

    かくいう私も音楽に惹かれるひとり。

    同じ芸術でも、音楽はダイレクトに響く求心力があり、

    誰しも一度や二度は音楽に心動かされた経験があるのではないでしょうか。

    では、絵はどうでしょう?

    絵を見て泣く、それは よっぽどのことのように思います。

    そんなことがあれば、その感動は音楽の比ではないかもしれません。

    しかし、絵には音楽に類さない何かが存在します。

    美術の持つ何か。

    それは、のめり込み魅了されるに等しい何か。

    心えぐる作品を追い求めつつ、

    Puntoは2016年もアートを発信していきます。

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    年明けには、作品を入れ替え 石川和男 第二弾を開催いたします。

    是非ご来廊ください。

    メリークリスマス!チャペル

  • construction b

    construction b

    今年も残すところ、あと10日となりました。

    暖冬と言えど、さすがに冷えてきたこの頃。

    2015年は新規オープンし、Galeria Puntoの節目の年でもあり。

    今年も紆余曲折ありつつ、絵を前にPuntoに立てる年の瀬に感謝しています。

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    不思議なもので、普段ならやり過ごしてしまう事柄や念のようなものも、

    この時期ならリセットできるような気がして、向き合ってみたりもします。

    石川さんの この作品を眺めながら。。

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    「construction b」

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    Puntoには、一足早いクリスマスプレゼントとも言うべき照明をつけました。

    シェードから通した光が、焚き木のよう。

    更に、お気に入りのまげわっぱのお弁当箱を思い出させてくれます。

    美しきノスタルジア。

  • 象の夢-ミジンコになりたい。

    象の夢-ミジンコになりたい。

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    現在開催中の、石川和男の「・・・times,rhythms and dimensions.」。

    好評につき、第二弾を開催いたします!

    作品入れ替えを行い、年明け1月11日(祝)~1月29日(金)まで展示いたします。

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    少し違った作品や小品なども加え、幅広く観ることができます。

    「象の夢-ミジンコになりたい。」はおススメの一枚。

    このように、現在は展示していない作品を新たに披露。

    また、現在しか見られない作品もございます。

    今年の展示はクリスマスイブイブ、23日まで。

    本格的な寒さとなってきたこの頃。

    クリスマスもすぐそこですチャペル

  • 馬と蜘蛛の巣

    馬と蜘蛛の巣

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    「spiderweb saved fallen horse」

    今展では、馬をモチーフにした作品が多く存在します。

    自らお話してくださったのも、これらの作品を例にあげてのこと。

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    石川さんの作品は、時間という概念を掘り下げて、存在するものの神秘、

    また、世の常である栄えては枯れてゆく相反する現実への問いのようにも感じる。

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    永遠と瞬間。

    私たち人間の時間は、実に儚い。

    そして・・・

    馬は、蜘蛛の巣によって救われる。

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    ”作品は、その人を表す”などと言うが、石川さんは まさにそうかもしれない。

    まず、生活感がない。(褒め言葉です!)

    画面に出てくる白馬に乗っていても違和感はない。

    むしろ乗っていて自然。

    そんな空気で日常を喋る画家の、相反する現実が何とも神秘的なのである。

  • 謎の星

    謎の星

    現在開催中の「・・・times,rhythms and dimensions.」から、「construction a」。

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    この作品は、DMにも使用した今回の代表作のひとつ。

    見ごたえのある 完成度の高い作品です。

    大画面に多次元的に構築された各々が織りなす様相は一体となり、更に高次元へ運んでくれるかのよう。

    実際に近くで見てみると、素材感や質感、画材を駆使し繊細に作り込まれているのが良く分かります。

    そして、今まであまり見られなかったコラージュなども用いられています。

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    石川さんの作品の中によく見られる 膨らみをもったキラキラと輝く丸い星のようなモノ。

    観る角度や展示の佇まいによって、時に存在を消し、多彩な光を放つ不思議なソレ。

    彼の作品にはなくてはならない表現のひとつ。

    今まで、それなりに沢山の作品を観てきましたが、コレは何ぞや!?

    それもそのはず、石川さんオリジナルの技法だといいます。

    組織なら おそらく企業秘密であろうアレを、自ら惜しげもなく解説してくれる懐の広さ。

    ある日本画家が、別の画家に 同じく自身の技法を一から伝授していたのを思い出します。

    彼曰く、「同じ方法で描いても、この絵は僕にしか描けない」。

  • 画面に隠された消失点

    画面に隠された消失点

    先日のオープニング、アーティストトークで最初に石川さんが触れた作品がこちら。

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    ”from some vanishing points”

    今展のタイトル「・・・times,rhythms and dimensions.」とあるように、

    時間・リズム・次元性を画面を作る上でキーワードにしていることがうかがえる。

    この中でも特に次元性については、今回顕著に現れた要素と言えるのではないだろうか。

    風景画などにもよく見られる遠近法というものがあるが、

    石川さんが語った中で、例えば上の作品はこの消失点を3つ設けて画面が構成されている。

    私たちが心地良く感じる線や、リズミカルなレイアウトは、

    作家が無意識的にも行っている こうしたテーマや技法などが起因していることが分かる。

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    ”seraphine”

    同じサイズの作品。

    石川さんと言えば、これまで淡い色彩の印象が記憶に残ります。

    この2点は比較的 今までの雰囲気を残す仕上がりですが、

    実際に作品を目の前にすると、はかなさと同時に普遍性のようなものを感じます。

    観る側の印象と作り手の意図、自分の目線と相手の目線を重ね合わせてみる。

    時には、そういう視点が視野を広げ、新たな価値観を得るキッカケになるのかもしれない。

  • 石川和男 アーティストトーク

    石川和男 アーティストトーク

     石川和男の「・・・times,rhythms and dimensions.」オープニング。

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    ~多次元的絵画の試み~

    と題した今展の作品について、またPuntoとの出会いなど交えアーティストトークを開催。

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    複雑に分割された画面、不思議な感覚さえ持つ光と空間構成。

    私たちは、作家の作品を見ていろんな事を感じ取る。

    自問自答したり自らの価値観において判断したり、また それを人に伝えたりするが、

    作家に作品の意味を求めたり内容やプロセスを問うことは まずない。

    そこで興味深いのが、作家自身の思考や言葉や選択である。

    故に、アーティストトークは作品を何倍も楽しみ深める貴重な機会なのである。

    作家をより深く知ることは、アートへの近道。

    と言っても、情報をたくさん知ることが目的ではない。

    時間をかけて見えてきたり気付いたりする瞬間がある。

    この発見が、実はとてつもなく面白い。

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    端正な物腰と頭の良さが際立つ石川さん。

    発見ーー!かなり面白いと。

    何と表現すべきか、関西人にはいない面白さ とでも言うべきか。

    関西弁の中でも一番アクが強いと言われる播州弁をスラスラと使いこなす私には

    新鮮な東の風であった。

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     トークの後は、石川さんのギターのひととき。

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    鍵盤ハーモニカとの即興。

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    スタンダードナンバーからブルース・・

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    夜観る作品は、昼間と様相が一変し キラキラと光を放ちます。

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    泡盛のようとも思える香りの ひこ孫と、美味しいフルーツで乾杯!

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  • ・・・times,rhythms and dimensions.

    ・・・times,rhythms and dimensions.

    11月も もう半ば。来月は師走。

    何となく冬を連想させるこちらの作品は、石川和男。

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    12月7日からクリスマスイブイブまで、

    石川和男さんの「・・・times,rhythms and dimensions.」を開催します。

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    石川さんは東京生まれ。東京芸術大学を卒業後、画家として活躍しています。石川さんとの出会いは、2011年の第1回「施美時間」に参加していただいたことが始まりでした。翌年にはPunto企画「点から線へ」、これは全国から次代を担う若手作家を4名選出し、リレー形式で企画展を行うというもの。複数の作家の活動を結び付け、新たな価値観や創造力を生み出そうとする試みでもあります。石川さんは、そんな「点から線へ」の一人なのです。→2012年「点から線へ」のオープニングの様子はこちら。

    また、2013年の第2回「施美時間」にも参加。

    この時は鶴林寺とは舞台を変え、石川さんらしい空間を作り上げました。

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    その時の、この作品は今でも良かったな~と未練が残ります。

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    朱色の作品も印象的でした。

    今展では、多次元的絵画の試み と題して、新たなイメージを見せてくれそうです。

    初日12月7日(月)18:00~オープニング&アーティストトークを行います。

    石川さんのトークが聞ける貴重な機会です、是非ご来廊ください。

    「点から線へ」から3年、同じく4名に選出した一人

    彫刻家 野村直城の個展があさってから始まります。

    偶然にも3年後に、野村さんから石川さんへ線でつながった企画展。

    2人の作品にどうぞご注目ください!